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ペルー開教


ペルーのお盆法要

2018年8月ペルーのカニエッテ慈恩寺でのお盆法要に行ってきました。
一九九五年に初めて行って以来、何回か訪れていますが来るたびに経済的に発展しているのが見て取れます。 以前ならポンコツの車ばかりだったのが新車が増え、新しい商業施設ができたりしています。 リマからおよそ二〇〇㎞にあるカニエッテまでは片道単線の道が走っていたのが高速道路になり、民家も見えない砂漠の中だったのが工場や民家、果ては別荘までが切れ目なく建っていました。 移民当初はカニエッテから徒歩でリマまで歩き、途中で強盗に命を奪われたり、それでなくても行き倒れて亡くなった人々が沢山いた話を思い出しながら、車窓から様変わりした風景を見ていました。 そしてついたのが最初の参拝地のカサ・ブランカ墓地です。この墓地は先のリマまでの道で命を落とした人々の骨を集め、収められている日本人墓地です。合葬の墓標の他にも幾人かの墓標もあります。 次が市内にあるサンビッセンチ墓地に参拝して、慈恩寺に到着です。

このお寺には沢山なお位牌が置かれています。先のカサ・ブランカ墓地にもありましたが、たくさんなお位牌の中にかなり多くの『釋〇〇』と書かれた法名があります。 『釋』というのは、お釈迦さまの真仏弟子と言う意味です。善導大師は阿弥陀仏の本願を聞く人を真仏弟子と仰せられているように、弥陀・釈迦の二尊のご本意を疑いなく受け取らせて頂く者に付けられた大切な名前です。 最初に申しましたように、ペルーでの仏教活動は長く禅宗の先生方が行っていました。当然、書かれるのは戒名のはずです。それなのに誰が法名をつけたのだろうか。ひょっとしてペルーに渡る前にご本山で受けられておられたのだろうか。などと思いを巡らしていくうちに、『釋〇〇』と書かれた法名に阿弥陀仏の息遣いを感じさせられました。

今を生きている私に「南無せよ」と法名を通して、阿弥陀仏が呼びかけてくださっているように思われてなりません。 そして私自身も、つけられた法名をもっと大事に、そのためにはいよいよ念仏生活に勤しまなければと思いを新たにした次第です。  今回のご巡回で帰敬式を受けられた方、また既に受けられた方も、頂かれた法名を大事に、称名念仏の中で毎日を過ごしていただきたいと思います。